忍:「天下無敵のソロ軍団」マスター 藤丸:某シスコン自警団団長 黄泉子:姉に苦労してる妹 なのは:自警団員1 豆乳:自警団員2 妖魔:首領ペリに雇われている傭兵 キティホーク:妖魔の助手(以下キティ 渡月 砕刃:王室直下の近衛騎士団の戦士(以下砕刃 首領ペリ:妖魔の雇い主。悪の親玉(以下首領 ------------------------------------------------ プロローグ【妖魔・なのは・豆乳・藤丸】 ------------------------------------------------ 道化 【溶明】 妖魔下手入り 妖魔 はん、手応えのねぇ奴らだ。何が自警団だ。 オレを捕まえたきゃ王国騎士団でも連れて来いっての。 っと、やべ。 妖魔影飛びで客席 なのは、豆乳下手入り なのは おっかしいなぁ・・こっち側に来たと思ったのに。 豆乳 うーん・・・今回真面目な仕事だと思ったらこれだもんねぇ。 うちらは何か貧乏くじ引くように運命つけられてるのかね? なのは 知りませんよ、そんなこと。 ほらほら、無駄話してたら対象が逃げちゃいますよ。 豆乳 それもそうさね。はー・・・めんどくさい。 なのは それじゃ豆乳さんはあっちを。私はも一度来た道を確認してきます。 豆乳 ほいほい。 豆乳上手はけ なのは下手はけ 妖魔影飛びで舞台 妖魔 そう簡単に捕まるもんかよ。 って、帰ってくるの早ぇんだよっ。 妖魔影飛びで客席 なのは、豆乳舞台入り 豆乳 っかしーなぁ・・。こっちはいなかったよ? なのは こっちもです。んー、そう遠くには行ってないはずなんだけどなぁ。 豆乳 まぁ待て。 こんな時は、私のスタンド能力でw なのは ふざけてる場合じゃ・・・。 豆乳 オラオラオラオラオラ 豆乳客席に向かってアローシャワー 妖魔影飛びで舞台 妖魔 あぶなっ 何て事しやがるw なのは あ。 妖魔 しゃあねぇ!ちょっくらおねんねしてな! 妖魔畳返し 豆乳 出番少ないのに・・・。 なのは く・・・。 妖魔 じゃあな。オレはさっさとトンズラさせてもらうぜ。 なのは 待って!あんたの目的はなんなの・・・? 妖魔 そんな事、聞かれて素直に答える馬鹿がいるか? 豆乳 漫画とかだと割と言っちゃうよね。 妖魔 へ、まぁオレを見つけたご褒美で少しだけ教えてやらぁ。 シュバルツバルドにはな、ミッドガルドをぶっ壊したい奴がいるのさ。 なのは なっ!? 妖魔 じゃあな、今日は殺さないでおいてやるぜ。 妖魔上手はけ なのは なんか・・・今までに無く大変な仕事っぽいんですが・・。 豆乳 真面目モードはなのはに任せたー。 あっしは早く帰って昨日撮っといたアニメが見たい。 なのは そんなんばっかですね・・。 藤丸下手入り 藤丸 二人とも、賊は!? なのは あ・・・団長・・。すいません・・・。 藤丸 ・・・・逃げられたのね? 豆乳 いやぁー不意をつかれまして。 藤丸 仕方ないわ。二人のその有様じゃ結構な手慣れだったんでしょう。 なのは あ・・それより団長!急いで王室に知らせないといけないことが! 藤丸 え? 豆乳 あー、なんか言ってたね。ミッドガルドをぶっ壊すとかなんとか・・・。 なのは もしかしたら、戦争が始まるかもしれませんっ! 道化 【暗転】 プロンテラ場地下深く、最高機密とされる地下資料室があった。 そこには国の防衛網から緊急時のパイプラインにいたるまで、 あらゆる資料が置かれていた。 その中から、軍部に関する資料が盗まれるという事件が起きた。 事件の犯人を捕まえるべく、王室から依頼を受けたプロンテラ辺境自警団。 しかし、連日の張り込みも空しく、三人は犯人を逃がしてしまう。 犯人が残した言葉を頼りに藤丸は シュバルツバルドに単身、捜査に乗り出すことになるのだが・・・。 「BestSmile」の忍が、藤丸が、そして黄泉子(今回脇役)が! 再び皆さんの前に登場です。さて、今回は忍がどう活躍するのか!? 【BestPartner】開幕-------- ------------------------------------------------ 第一章【藤丸・黄泉子・忍】 ------------------------------------------------ 黄泉子板付き 道化 【溶明】 黄泉子 ふんふん〜♪ 今日も良い天気。散歩とか行きたいなぁ。 藤丸下手入り 藤丸 黄泉子、調子はどう? 黄泉子 お姉ちゃん!うん、いつも通り元気だよ! ほら見て、すっごい良い天気。こんな日はどっか散歩とか行きたいなー。 藤丸 うん、そうね・・。すごい良い天気・・。 黄泉子 お姉ちゃん?どうしたの?なんか元気ないよ。 藤丸 ん、大丈夫。ちょっと仕事でね・・・。 お姉ちゃん、しばらく隣の国に出張なっちゃってね。 黄泉子 え・・それじゃ・・・。 藤丸 うん、しばらくは病院にも来れない。 黄泉子 そっか・・・。 藤丸 ぅー・・・数日とは言え黄泉子と離れ離れになるなんてー・・。 そんなの嫌だよーーーー!! 黄泉子 ちょ、お姉ちゃん・・。 藤丸 うーん、ハグハグ。 黄泉子 お姉ちゃ・・ちょ・・くるし・・・。 忍下手入り 忍 姉妹で何やってんだ・・・? 黄泉子 あ、忍さ・・。 藤丸 な・・・な・・・・。 忍 な? 藤丸 なんであんたがここにいるのよー!? 忍 何でって・・・お見舞いだけど? 藤丸 お見舞い!?なんで?どうして?なんであんたが黄泉子の病院にいるのよ!? 忍 だから黄泉子ちゃんのお見舞いに・・。 結構来てるんだが・・知らなかったか? 藤丸 そんな事聞いてないわよ!? 黄泉子 お姉ちゃん落ち着いてってば・・。 忍さんとはあれから手紙のやり取りを何度かしてて、 それで私の病院を教えたの。そしたらよくお見舞いに来てくれて・・。 藤丸 ・・・・マジで? 黄泉子 ・・・うん。 忍 そゆこと。 藤丸 ふーん、へぇー、そぉー。 忍 な、なんだよ・・・。 藤丸 ちょっと面貸しなさい。 忍 あ、ちょ、待てよ。なんだよいきなり。 黄泉子 お姉ちゃん? 藤丸 ちょっと忍さん借りるわね。 ほら、しゃっしゃと来る! 忍 ・・・変わってねぇな・・・。 忍、藤丸下手はけ 黄泉子 お姉ちゃん・・・また暴走しなきゃいいんだけど。 道化 【暗転】 ------------------------------------------------ 第二章【藤丸・忍・渡月 砕刃】 ------------------------------------------------ 忍、藤丸板付き 道化 【溶明】 藤丸 で、なんであんたがお見舞いなんか来てるわけ? 忍 お見舞いしちゃいけないみたいな言い方だな。 単純に黄泉子ちゃんの調子見に来ただけじゃだめなのかよ? 藤丸 それだけだったらいいわよ? でもあんたのことだから下心でもあるんじゃないかとね。 忍 はぁ?なんだそれ。まだこの前の根に持ってんのか? ありゃあんたの誤解だろうが。 藤丸 五月蝿いわね。いい? 黄泉子は気を許してるけど、私はあんたのこと信用してないんだからね。 忍 はぁ・・・やれやれ。 藤丸 ため息尽きたいのはこっちよ・・。 これから出張だってのに・・。 忍 ん、どっか遠出するのか? 藤丸 シュバルツバルドよ。仕事でね。 はー。めんどくさい仕事請け負ったもんだわ。 忍 そりゃご苦労様。 藤丸 ったく、王室直下の近衛騎士団だからって偉そうに小間使いさせて。 ほんっとムカつくわー。 砕刃上手入り 砕刃 むかつくのは大いに結構。だが仕事はしっかりしてくれたまえ。 藤丸 げ・・・聞かれた!? 砕刃 まぁ、偉そうにとは言うが、実際君よりは地位も名誉も持っているのでな。 藤丸 あはは・・やだわぁ、ほんのちょっとした冗談じゃない・・。 忍 今言ってた近衛騎士団の人か。 砕刃 おや、珍しい。傭兵ギルドの忍さんではないですか。 忍 へ?なんでオレのことわかるの? 砕刃 ははは、「天下無敵のソロ軍団」の忍と言ったらかなりの有名人ですよ。 私達の業界なら殆どの者が知っている。 忍 はぁ・・・。 砕刃 ふむ・・・そうだな、丁度いい。 藤丸 丁度いいって・・・まさか!ちょっと、待ってよ! いくらうちの団員が今使えないからって・・私一人で大丈夫よ!? 砕刃 君の意見は聞いていない。君はこちらから言われたことをこなせばいい。 忍 すまん、話が見えないんだが。 砕刃 なに、大した事ではない。藤丸君にはこれからシュバルツバルドに飛んでもらう。 そのパートナーとして君にも行ってもらいたい。 本来ならこちらから人を出すんだが生憎出払っていてね。 傭兵なら、金を積めば引き受けるのだろう? 忍 ふむ・・・あんま汚い仕事ならゴメンだぜ? 藤丸 勝手に話進めないでよー・・・。 砕刃 ちょっとシュバルツバルドの内情を探ってきてもらうだけだ。 ここ最近あちら側の者らしい賊が城に出入りしていてね。 その足取りを掴んでもらいたいのだよ。 アサシンの君には打ってつけの仕事だろう? 忍 まぁ、な。いいだろう。引き受けるよ。 だけど報酬は弾めよ?王室直々の指令なんだろ? 砕刃 それは善処しよう。商談成立だな。 詳細は藤丸君に聞いてくれたまえ。では、吉報を期待しているよ。 砕刃上手はけ 藤丸 はぁー・・・いけ好かない奴・・。 忍 で?どうすんだ? 藤丸 どうするって・・別にこの仕事は私一人で充分なんだからね? 忍 はいはい、で。何をすればいいんだ? 藤丸 とりあえずはシュバルツバルドに行くわ。 ・・・公にはしてないけど、戦争を起こそうとしてる人がいるらしいの。 忍 はぁ!?この平和なご時世にか! 藤丸 しっ!声がでかい! 静かに聴いてよね。で、その主要人物とされてるのが・・。 最近発掘されたジュピロス遺跡の管理を任されてる「首領ペリ」って奴よ。 遺跡から発掘した機械とかを復元して軍事利用しようとしてるらしいの。 忍 ふむふむ。 藤丸 で、最近プロンテラ城から軍事関係の極秘資料が賊に盗まれた。 恐らくはその「首領ペリ」ってのが手引きしてると思われてる。 私達は「首領ペリ」に接触してそれとなく探りを入れること。 忍 はぁ・・めんどくさそうだな。 藤丸 だから気乗りしないんじゃないー。 あ、そうそう。「必要な場合は障害の排除も止む無し」って言われてるから。 忍 つまり? 藤丸 「仕方なく」「敵を殲滅する」ことはしてもいいのよ。 忍 なるほど。暴れる為の大義名分だな。 藤丸 ストレートに言わない。 それじゃこれからすぐ立つから、さっさと準備して。 忍 りょーかい。時間は? 藤丸 そうね・・1時間後にイズルートの飛行船場で。 忍 わかった。サクっと準備してくるわ。 藤丸 あんたとってのが気に入らないけど・・。 仕事だから仕方ない。暫くの間よろしくね。 忍 あぁ、任せろ。仕事はスマートにこなす主義だ。 藤丸 それはそれは素晴らしいモットーで。 忍 それじゃまた後で。 藤丸 えぇ。 藤丸下手、忍上手はけ 道化 【暗転】 ------------------------------------------------ 第三章【妖魔・キティホーク・首領ペリ】 ------------------------------------------------ キティホーク板付き 道化 【溶明】 妖魔下手入り キティ あ、お帰りなさい。 妖魔 おう。オレの留守の間なんかあったか? キティ 特に目立った動きはありませんでしたね。 まだ準備が整っていませんから行動を起こす時ではありませんよ。 妖魔 それもそうか。ま、オレは金さえ貰えればどうでもいいがな。 キティ 私は・・・・いえ、なんでもありません。 私は妖魔さんの手足ですから、妖魔さんに従いますよ。 妖魔 へ、手足・・か。まぁいい。首領ペリの姉さんは今いるか? キティ えぇ、奥の部屋で先日持ってきた資料の山と睨めっこですよ。 呼んで来ますか? 妖魔 あぁ、わりぃが頼むわ。 キティ では、少々お待ちください。 キティホーク上手はけ 妖魔 ま、戦争になろうがオレは知ったこっちゃねぇんだがな。 首領ペリ上手入り 首領 ふぅ、お疲れ様、妖魔君。 妖魔 労う気あんならもうちょっと感情込めたほうがいいぜ? 首領 ふん、金を払っているんだもの。しっかり仕事をしてもらわないとね。 妖魔 へぇへぇ。前金で貰ってるから仕事はしっかりやりますよ。 首領 で、例の物は手に入ったの? 妖魔 あぁ、プロンテラの兵団配備図だろ。 ちょっと邪魔が入ったがしっかり持ってきた。 首領 邪魔? 妖魔 気にすんな、雑魚だ。雑魚。一蹴してきてやったよ。 首領 ふむ。まぁいいでしょう。頼んだものさえ持って来たならその件は不問よ。 さぁ、それをさっさと寄こしてちょうだい。 妖魔 ほらよ。 まぁ、顔は見られたかもしれないがな。いいのか? 首領 構わないわ。どうせ、もうじき国ごと消えてもらうんだもの。 妖魔 は、怖いお方だ。一介の管理職が国を消そうなんてな。 イカれてるぜ。 首領 そのイカれてる人間に雇われて仕事をしている君も、 まともとは言い難いんじゃない? 妖魔 おっと、失言失言。オレは金さえ貰えればいいのさ。 首領 金さえ、か。それは、嘘でしょう? 妖魔 ・・なんだと? 首領 君はどこかでこの平和な世界に飽き飽きしてるのよ。 だからこそ、危険な仕事でも請け負う。 心のどこかで、この世界が壊れてしまえばいいと思っている。 妖魔 ・・そんなこと考えたこともねぇよ。 首領 ふ、まぁいいでしょう。この話はここまで。 君には次の仕事に取り掛かってもらうわ。 妖魔 今度はなんだ?プロンテラの兵団でも潰してくるか? 首領 今回は簡単な仕事よ。 暫くの間、私の護衛をしてちょうだい。 妖魔 は?そんなのキティかSPにでも頼めばいいじゃねぇかよ。 首領 キティちゃんには別件で動いてもらうわ。SPなんか役に立たたないし。 それに護衛と言っても表立ったものではないのよ? 基本的に君は姿を見せない。いつも私の影にいればいい。 妖魔 なんだよそのしみったれた仕事は・・・。 首領 金さえ貰えばなんでもするんでしょう? 妖魔 わーったよ、クソッタレが・・。 首領 物分りが良い子は好きよ。あ、そうそう、君に朗報よ。 妖魔 ぁんだよ? 首領 内偵からの報告だけどミッドガルドから特使二名が来るらしいわ。 妖魔 それが朗報か? 首領 そのうちの一人が、君の旧友らしいのよ? 名前は忍と言ったかしら?幼少からの仲なのでしょう? 妖魔 ・・・くっくっく・・くはっははははは! あぁ、あいつはオレの親友だぜ?こりゃ傑作だ! まさかこんな機会で再会することになるとはな! 首領 ま、公私混同は避けてちょうだいね。 仕事に支障をきたしてもらっては敵わないわ。 それじゃ私は書類整理に戻るわ。 妖魔 OKOK。 首領ペリ上手はけ 妖魔 ・・女狐が・・何考えてやがる? ま、どうでもいい・・それよりも・・。 そうか、忍が来るのか・・・くくく・・・。 キティホーク上手入り キティ 妖魔さん・・・。 妖魔 あん、どうしたキティ? キティ いえ・・あの、本来私が言うべきことでは無いのですが・・。 あの女は得体が知れません。気をつけてください。 妖魔さんに何かあったら・・。 妖魔 馬鹿野郎が。オレより自分のこと心配しろよ。 別件があるんだろ? キティ そうですが・・・。 妖魔 いいんだよ。金はたんまり積んでもらったんだ。 仕事はしっかりやらねぇといけねぇしな。 お前いつからオレに指図するくらい偉くなった? キティ ・・いえ、私は妖魔さんの手足です。 妖魔さんに逆らうようなことはしません。 妖魔 そうか、ならいい。あんま変なとこに首突っ込むと長生きできないぜ? キティ はい。それじゃ私はこの後準備をして暫く留守にします。 妖魔さんお気をつけて・・。 妖魔 大丈夫だってーの。そう心配すんな。 ここで油売ってる暇あったらさっさと自分の仕事に取り掛かれ。 キティホーク・・・エモ後、上手はけ 妖魔 ・・・さて、そんじゃ武器の手入れでもしとくか。 妖魔下手はけ 道化 【暗転】 ------------------------------------------------ 第四章【忍・藤丸・妖魔・キティホーク・首領ペリ】 ------------------------------------------------ 藤丸・忍板付き 道化 【溶明】 藤丸 さて・・ここまで来ちゃったわけだけど。 忍 ここに首領ペリって奴がいるのか? 藤丸 そうなんだけど・・・出迎えとか無いのかしら? こっちが来るのは知ってるはずなんだけど。 忍 そこら辺に呼び鈴とかあるんじゃねぇの・・・・無いか。 しゃーない、ごめんくださーい。 藤丸 律儀ねぇ・・・。 キティホーク上手入り キティ いらっしゃいませ。・・・と、どちら様でしょうか? 藤丸 先立って連絡しておりましたミッドガルドの特使の藤丸です。 首領ペリ様はおられますか? キティ えぇと、藤丸様ですね?少々お待ちください。 あ、はい確認できました。首領ペリ様をお呼びしますので少々お待ちください。 キティホーク上手はけ 藤丸 さてと、蛇が出なきゃいいんだけどねぇ。 忍 なんかきな臭ぇ屋敷だな・・・。 藤丸 先入観で疑ってるだけじゃないの? 忍 違ぇよ。オレの勘だがここなんかあるぜ。 藤丸 勘ねぇ・・。そんなの信用なるのかしら? 忍 お、馬鹿にしたな。オレの勘は良く当たると評判だぜ? 藤丸 誰に? 忍 ・・・・身内に・・。 藤丸 ・・・お話にならないわね。っと、来たみたいね。 いい?余計なお喋りはここまでよ。 忍 あいよ。 首領ペリ上手入り 首領 やぁ、どうも。遠路はるばるご苦労様です。 私がここ、ジュピロス遺跡の管理を任されている首領ペリです。 藤丸 はじめまして。私はプロンテラから派遣された藤丸。 こっちはパートナーの忍です。 忍 忍です。よろしく。 首領 よろしく。さ、ここでの立ち話もなんですし、奥でごゆるりと。 藤丸 いえ、簡単な口頭での質問ですので、ここで構いませんよ。 首領 そうですか、わかりました。 なんのお構いもできなくて申し訳ないですね。 藤丸 いえ、こちらこそいきなりの訪問を了承してもらって。 あまり時間をとらせても申し訳ないので手早く終わらせてしまいましょう。 忍 同感だ。 藤丸 それでは早速・・・。 首領ペリさんはジュピロスから発掘された兵器群を修復してると聞いてますが、 現在でのその修復状況と言ったものはどういった感じでしょうか? 首領 ふむ・・・難しい質問ですね。 資料自体が古いので本来の機能は完全にわかってはいないのですが 本来の能力の90%以上は引き出せるくらいにはなってるかと。 藤丸 90%・・・。それは・・例えばどれくらいの威力なのでしょうか? 首領 そうですね・・その気になれば国一つ消すくらいでしょうか。 忍 な、そんなに強力なのか? 首領 古代人が何を考えて造ったかはわかりません。 ですが、古代人はそれくらい強力な兵器を幾つも有してたようです。 本当に・・何を考えていたんですかねぇ・・。 忍 あんたはソレを修復して何に使おうと? 首領 なに、危ないことはしませんよ。あくまでも研究資料ですよ。 藤丸 そう・・・ですか。 首領 それとも私が戦争でもしようとしてるとでも? 藤丸 まさか、そんなこと・・。 首領 ふふふ。失礼、冗談が過ぎたようですね。 藤丸 いえ、こちらこそおかしな質問をしてしまいました。 それで、その発掘した兵器の公開などは? 首領 一応、国家機密扱いなので一般公開はできません。 それは例え、友国の特使様であっても、ね。 忍 (そう簡単にカードは見せないわけか。) 藤丸 わかりました。すいません、いきなりな上にお時間をとらせてしまって。 首領 いえいえ、いつでも大歓迎ですよ。 研究室に篭っていると人と話す機会が少なくなってしまってね。 久しぶりに他人と話した気がしますわ。 忍 それじゃ、オレ達はお暇するか。 藤丸 そうね。 首領 あら、もう行くのですか。 藤丸 えぇ、まだまだ仕事が山積みですので。 今日はどうもありがとうございました。 首領 いえいえ、気にしないでください。 藤丸 それでは。 首領 えぇ。お帰りの道中気をつけて。 藤丸下手はけ(忍はけまで舞台外で待機 忍 ?は・・はぁ。 忍下手はけ 首領 ・・・妖魔。 妖魔、影跳びで舞台入り 妖魔 ほいほい、呼んだか? 首領 あの二人の始末、できる? 妖魔 あら、殺っちゃっていいのか?特使なんだろ? 首領 知ったこと。今計画を気付かれるよりはいいわ。 それに、ただの特使というわけではないようだし。 妖魔 ほう。何か気付かれたか? 首領 さぁてね。会話に探りを入れてきたのよ。 なんにしろ、あぁいうのはさっさと消えてもらったほうがいいわ。 妖魔 へいへい。ま、雇い主がそう言うなら始末しましょ。 首領 失敗は許されないわよ? 妖魔 そんなヘマはしないさ。 今までだって言われたこたぁしっかりこなしてきただろ? 首領 まぁ君の仕事は確かだわね。任せたわよ。 妖魔 了解。 首領 私はまた研究室に篭るわ。相当の事が無い限りは呼ばないでちょうだい。 妖魔 あんな辛気臭ぇとこ頼まれたって入りたくないぜ。 首領 よろしい。 首領ペリ上手はけ 妖魔 へへへ・・忍ちゃん、首洗って待ってろよ。 お前はオレが殺すって決めてんだからな・・・。 道化 【暗転】 ------------------------------------------------ 第五章【藤丸・忍・妖魔・キティホーク】 ------------------------------------------------ 藤丸・忍板付き 道化 【溶明】 忍 ありゃ何か隠してるな。 藤丸 あんたもそう思う?怪しいわよねぇ、あの人。 絶対何かあるわ。 忍 で、どうすんだ?このまま帰る気は無いんだろ? 藤丸 当然よ。このまま何も掴めないで帰ったら報酬も何ももらえないわよ。 んー・・そうね・・。あんた、潜入とか得意? 忍 ま、一応アサシンだしな。潜入、暗殺の訓練はしてきたが? 藤丸 OK。それじゃあんた首領ペリの研究室に行って何か持ってきなさい。 忍 はぁ?何かって何だよ? 藤丸 なんでもいいのよ。そうね・・・。 プロンテラから盗まれた資料の一つでも見つかれば・・。 忍 ふむ・・。わかった、やってみる。んで、あんたは何をするんだ? 藤丸 そうね・・私はもう一回前から入って話を聞いてみる。 忍 それ返って怪しまれないか? 藤丸 いいのよ。私が時間稼いでる間にあんたは何か探してくるの。 忍 なるほどね。でもそれって危険じゃないか? 藤丸 何がよ? 忍 いや、仮にも戦争起こそうとしてるって言われてる奴だぜ? あんた一人で大丈夫かよ?一応・・・その・・女だし。 藤丸 あら?心配してくれてるの? 大丈夫。これでも自警団の団長ですもの。自分の身くらい守れるわ。 忍 そっか・・・。まぁ、気をつけてな。 藤丸 大丈夫だって。それに危険なのはあんたも同じでしょ? 忍 オレは逃げることなら誰にも負けないからな。 藤丸 情けない自慢ねぇ・・。 忍 うっせぇw それじゃ、行くかな。 藤丸 そうね。さっさと証拠掴んで帰りましょ。 忍 だな。 藤丸 それじゃ、私は行くけど、そっちこそ気をつけてね? 忍 ん、あぁ。なんだかんだでオレの心配してくれんのかよ。 藤丸 別に・・・ただ、あんたに何かあったら黄泉子が悲しむもの・・。 忍 は、ここまで来ても黄泉子ちゃんか。妹想いなこって。 藤丸 いいじゃないのよ。黄泉子は可愛い。可愛いは正義! って、いいから、それじゃ私行って来るわ。 忍 はよ行けw 藤丸下手はけ 忍 こちらスネーク、作戦を開始する・・・なーんてな。 んじゃどこから入りますかな・・。 妖魔 (客席)残念、お前はどこにも行けねぇよ。 忍 誰だ!? 妖魔 オレだよ、兄弟。 忍 貴様・・・リキッドか!? 妖魔舞台入り 妖魔 リキッドって誰だよ?オレだよ、オレオレ。 ハロー忍ちゃん♪てめぇの親友だ。 忍 よ・・・よーちゃん・・・!? 妖魔 いやぁ、懐かしいね親友?かれこれ5年振りか? 忍 6年振りだ。よくも親友なんてぬけぬけと・・。 妖魔 何?親友じゃない?じゃあ、あれだ。心の友と書いて心友と呼ばせてやるよ! 忍 謹んでご遠慮する。・・・なんでお前がここにいる? 妖魔 なに、首領ペリの姉さんに雇われてるだけだよ。てめぇと会ったのは偶然さ。 忍 雇われて・・?あの女が何しようとしてるか知ってて付いてるのか? 妖魔 あー、なんかミッドガルドを消すらしいな。 忍 やっぱそうなのか・・。なんでそんな奴に味方する? 妖魔 うるせぇな。金もらえりゃなんだっていいんだよ。 誰が死のうがどこの国が消えようが関係ねぇ。あー・・ただ。 忍 ただ・・なんだよ? 妖魔 お前はオレが殺す。お前を殺していいのはオレだけだ。 忍 ふざけるな!オレは殺されはしないし、国だって消させやしない!! 妖魔 忍ちゃんよぉ・・・変わってねぇなぁ。 てめぇはいつもそうやって正義ヅラしやがる。昔っから気に入らなかったぜ。 傭兵なっても仕事選り好みして汚い仕事はしないらしいな?反吐が出るぜ。 忍 お前の知ったことじゃないだろう。オレはオレだ。 邪魔するならお前を倒してでもオレは先に進む。 妖魔 威勢だけはいいとこも昔と変わってねぇな。 ・・・戦争なんて関係ねぇ、オレはお前を殺せりゃいいんだ。 その後なんて知ったことか。どーんと戦争になっちゃえ。 忍 戦争なんて起こさせしない!! 妖魔 弱い犬ほど良く吠えるもんだ。来な、軽く潰してやんよ。 殺陣(忍押され気味 妖魔 最初の威勢はどうした?オレを倒すんだろ? 忍 く・・。 妖魔 なんだよぉ〜戦意喪失かよ?はぁ、つまらねぇな。 仕方ねぇなぁ・・・もう死んじゃえ。 キティホーク上手入り キティ 妖魔さん! 妖魔 キティ!?お前何で・・・ 忍!エモ 忍 うあぁぁぁぁぁぁぁ!! 妖魔 しまっ・・! 忍、妖魔にMBかMA 妖魔 ゴフ・・・! 忍 はぁ・・・殺し合いで余所見かよ・・・。 てめぇこそ、随分腑抜けたんじゃねぇか・・? キティ 妖魔さん!妖魔さんしっかりしてください! 妖魔 馬鹿野郎が・・・キティ・・てめぇ別に仕事あったんじゃねぇのかよ・・。 キティ そんなの・・妖魔さんが心配で放り投げてきましたよ!! 妖魔 あー・・・職務怠慢かよ・・・。報酬貰えねぇじゃん・・。 忍 妖魔・・お前は自分の力以外なんもいらねぇみたいだがよ。 お前を必要としてる人はいるんだぜ・・?そいつの事も考えてやれよ・・。 妖魔 は・・・冗談。オレは嫌われもんだぜ?そんな物好き・・・。 忍 馬鹿だな。その子はお前の心配して来たんだろ?察しろよ。 妖魔 ・・キティ? キティ 妖魔さん・・・。 忍 さて・・この場はその子に任せてオレは極秘資料とやらを頂いていくか・・。 妖魔 待て、忍ちゃん・・。お前と一緒に来た女ぁいただろ? 忍 あ、あぁ。それがどうした? 妖魔 今いないってことは一人で首領ペリの姉さんに会いに行ったのか? やべぇぞ、あの女お前ら消す気でいるから・・。 忍 ・・・!まさか!? 妖魔 急げ、手遅れにならないうちにな。 忍 クソッタレ!・・でもなんでオレにそれを? 妖魔 何、ちょっとした心変わりだ・・。さっさと行け。 こんな無様な格好、お前にずっと見られてるのは屈辱だ・・。 忍 わーったよ・・。もうちょい真面目に生きてみろ。 こんな世界だってまだ捨てたもんじゃないぜ? 妖魔 うるせぇなぁ・・指図する暇あったらさっさと行けっての・・。 忍 あぁ、言われなくても行くさ。 そこの嬢ちゃん、よーちゃんをよろしくな。 忍下手はけ 妖魔 キティよぉ・・・。 キティ はい・・? 妖魔 こんなオレだけどよ・・・付いて来てくれるか? キティ 断られたって・・・どこまででも。 妖魔 ははっ、そいつぁ頼もしいや・・・。 キティ だから、無茶はしないでください・・。 妖魔さんがいなくなったら・・。 妖魔 今回は・・忍ちゃんに教えられたな。 癪だねぇ・・どうにも。 道化 【暗転】 ------------------------------------------------ 第六幕【藤丸・忍・首領ペリ・キティホーク】 ------------------------------------------------ 首領ペリ・藤丸板付き 道化 【溶明】 首領 さて、どうしましょう。まだまだ苛めたり無いとこですが・・。 藤丸 聞いてないわよ・・首領ペリがトサカ生やしてビーム連射するなんて・・。 首領 ひ弱な事務職の女と思ったのかしら?ふふ、見た目だけで判断しないことね。 私の体には遺跡から発掘した機械を移植してあるのよ。 並みの人間が相手になる程柔な体ではないわ。 藤丸 卑怯くさぁ・・・。どうやって勝てってのよ・・・。 首領 ま、時間をかけてもあれでしょう。そろそろ幕引きといきましょうか。 藤丸 くそっ・・・。何か手は無いの? 忍下手入り 忍 っしゃあー!間に合ったーー!! 忍、首領ペリにMB 首領 む?・・妖魔め、しくじったわね。 忍 大丈夫か? 藤丸 まぁ、私はね。でも状況は最悪よ? てか・・あんたの方がボロボロじゃないのよ・・。 忍 オレのことは気にすんな。今は目の前の状況どうにかするしかないだろ? 藤丸 まったく・・・無茶するわね・・。 首領 やれやれ・・・直前になってハプニングが起こるとは・・。 これは計画の見直しかしらね・・。 忍 ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ。今すぐ投降しな。 じゃなきゃ力ずくで跪かせるぞ。 藤丸 待って。あいつ、体に機械移植してるのよ。 まともにやっても勝てるかどうか・・。 忍 はぁ?何それ?反則じゃね? 藤丸 反則よ。それがなかったら私一人で充分だったのに・・・。 首領 確かに。今の私はあなた達二人相手にしても余裕だけど・・。 はてさて・・ここで二人相手にするのも得策ではないわよねぇ・・。 忍 とにかく!どうにかしてとっちめねぇとまずいだろ!? 藤丸 そうね・・。 首領 意気込んでいるとこ悪いけど私は逃げさせてもらうわ。 あなた達程度の人間にこの計画の邪魔をされるのは私の尊厳が許さないからね。 藤丸 な、そう簡単に逃がすわけ・・! 首領 ポチっとな。さて、あと5分でここは崩落するわ。 申し訳ないけど、あなた達はここで瓦礫と心中してちょうだい。 忍 なんだって!? 首領 それではさようなら。もう二度と会うこともないでしょう。 あっはっはっはっは!! 首領ペリ上手はけ 藤丸 待ちなさい! 忍 よせ!! 藤丸 邪魔しないで! 忍 馬鹿野郎!今はあいつ追うより逃げるほうが先だ!死にたいのか!? 藤丸 だって、今逃がしたら!! 忍 うるせぇ、今は自分の命の心配しやがれ! 黄泉子ちゃんだってあんたの帰り待ってんだろ!? 藤丸 う・・。わかったわよ・・・。 忍 うむ、わかればよろしい。んじゃ逃げるか・・と言っても・・。 あっちこっち壊れてきて逃げ道わからねぇな・・。 藤丸 ・・・どうすんのよ言い出しっぺ。しっかりしなさいよね? 忍 わーってるよ!・・あー・・うーん・・。 キティ下手入り キティ お二人とも、こちらへ! 忍 あんたは妖魔の?どうして? キティ 妖魔さんが「あのオバサンに忍を殺させるかよ」って・・・。 忍 ・・・・なんか納得いかない・・。 藤丸 考えるのは後!そっちから出れるのね!? キティ はい、ついて来てください! 忍 信用するのか? 藤丸 今は藁でも縋りたいでしょ! それに・・あんたにだって死んでほしくないもの。 忍 ツンデレ発動!? 藤丸 馬鹿なこと言ってないの! 誰とか関係無くパートナーに死なれたら後味悪いもの・・。 忍 はーい(・ω・`) キティ 急いでください!完全に崩落するのも時間の問題です! 藤丸 行くわよ! 忍 あぁ。 キティホーク、藤丸、忍下手はけ 場外よりMS 道化 【暗転】 ------------------------------------------------ エピローグ【藤丸・忍・黄泉子・渡月 砕刃】 ------------------------------------------------ 黄泉子板付き 道化 【溶明】 黄泉子 お姉ちゃんが出かけてから三日かぁ・・・。 早く帰ってこないかなー。 藤丸・忍下手入り 藤丸 ただいまー。 忍 まー。 藤丸 って、なんであんたがナチュラルにいるのよ? 忍 流れ的に。 黄泉子 お姉ちゃん!それに、忍さん! えっと、おかえり。 藤丸 うん、ただいま。 忍 いやぁー、疲れた。 骨折り損のくたびれ儲けってなこのことだな。 藤丸 愚痴言うなら他所にしてくれない?まぁ、気持ちはわかるけど・・。 忍 だってよぉ。ターゲットは逃がすわ、資料は瓦礫の下だわ・・。 はぁー・・・最近いい事ねぇなぁ・・。 藤丸 ぼやかないの。命あるだけマシだと思いなさいよ。 今回はホント死ぬかと思ったわ。 黄泉子 そんなに危ない仕事だったの・・・? 藤丸 大変だったわよ。特にどっかの誰かさんが無茶するから・・。 忍 オレのことか?そんなんオレよりあんただろ? なんでも一人でどうにかしようとして。フォローする身にもなってくれよ。 藤丸 なっ!私は・・! 黄泉子 んー・・・お姉ちゃんと忍さんっていつの間に仲良しになったの? 忍 へ? 藤丸 ・・・黄泉子、これのどこが仲良さそうに見えるわけ・・? 黄泉子 だって、お姉ちゃんなんか楽しそうなんだもん。 仲良しはいいことだよ?お姉ちゃんと忍さんが仲良しなら私も嬉しいし。 忍 はは、敵わねぇな。 藤丸 うー・・・はぁ、疲れた・・・。 忍 疲れた体には睡眠と美味しい食事。これ大事。 藤丸 うっさいわねぇ。まったくもう、簡単に考えてくれちゃって・・。 しっかし、あんたもサラっと仕事引き受けたわよねぇ・・どして? 忍 ん?まぁ、こんな機会くらいしか頼めそうになかったからな・・・。 砕刃下手入り 砕刃 ふむ、お邪魔かね? 藤丸 ・・神出鬼没ね、あんた。 砕刃 いやいや、しばらく戸の向こうで聞いていたのだが、 終わりそうになかったのでね。勝手に失礼させてもらったよ。 藤丸 んで、何しに来たの?仕事失敗した私らを笑いにでも来た? 砕刃 とんでもない。首謀者は逃がしてしまったとはいえ、 戦争を未然に防ぐことが出来た。これは立派な功績だよ。 よって、約束通り報酬を渡そうと思ってね。 藤丸 はいはい・・・って、え!? 忍 落ち着け落ち着け。 しかし、いいのか?資料は紛失、首謀者は失踪なのに。 砕刃 逃がしてしまったことは決していい状況ではないがな。 それでも今回戦争を未然に防いだのは事実だ。王室も文句は言うまい。 忍 そうか。案外頭柔らかいんだな、王室って。 砕刃 コホン、今のは聞かなかったことにしておこう。 で、だ。まずは藤丸君に対する報酬だな。これを。 藤丸 どーも・・・うわ、すっごい金額・・・ん?短剣? 砕刃 名誉騎士にだけ与えられる国印の入ったグラディウスだ。 今回の功績を認め、君にもその称号が与えられた。光栄に思いたまえ。 藤丸 そんな・・・夢みたい・・・。本当にいいの? 砕刃 王室の決定だ。私がどうこう言うことではない。 忍 名誉騎士か・・・すげぇな。オレもさすがに初めて見るぜ。 砕刃 それで忍君への報酬なのだが・・。 忍 あぁ、オレのは前に言ったとおりでお願いするよ。 藤丸 ?いくら吹っかけたの? 忍 そんなんじゃねーよ。 砕刃 では、約束通り、藤丸君の妹、黄泉子ちゃんをプロンテラ城へ招待しよう。 藤丸 え? 黄泉子 え? 砕刃 忍君に感謝したまえ。本来一般公開はしない城内に君の妹を招待する。 忍君は自分の報酬と引き換えにそれを頼んだのだ。 私もさすがに無理と思ったが・・・王室も何を考えているんだか・・。 忍 いやぁ、前に大聖堂行った時黄泉子ちゃんやたら喜んだろ? プロンテラ城ならもっとでっかいし、色々見るものがあると思ってな。 黄泉子 でも、そんな、本当にいいですか? 忍 わざわざ黄泉子ちゃんの為に無理を承知で頼んだんだ。 もっと喜んでくれよ。な? 黄泉子 ありがとうございます・・。 藤丸 本当にいいの? 忍 今更本当は嘘でした、とか言えるかよ。 いいんだよ、グリーンダヨ! 藤丸 でも、黄泉子は薬が・・。 砕刃 その点は心配いらない。 王室専属の医療チームが常に万全の体制を整えている。 藤丸 そこまでしてもらって・・・。 忍 だから、大丈夫なんだって。 砕刃 ただな、一つ問題があって・・アポがなかなかとれなかったのだ。 藤丸 アポって・・・。 砕刃 それでいきなりですまないのだが、今日これからということになったのだが。 大丈夫かね? 藤丸 急すぎ!! 忍 病院に許可とかとらなきゃならねぇんじゃないのか? 砕刃 そこらへんはどうとでもなる。 さて、それで大丈夫かね?大丈夫ならすぐ準備をして出発するのだが・・。 藤丸 えと・・黄泉子大丈夫? 黄泉子 うん。私は大丈夫。せっかく忍さんが頼んでくれたんだし。 藤丸 そっか。黄泉子が行くっていうなら止めないわ。 砕刃 決まったようだな。では早速で悪いが、こちらへ。 病院前に馬車を待たせてあるのでな。 藤丸 それじゃ待たせるのも悪いわね・・。 忍 んだな。サクっと準備して行って来い。 黄泉子 はい!あ、でもこの服じゃ・・。 砕刃 少女とは言え、立派な淑女。お洒落をするのも良かろう。 ドレス程度ならこちらから貸そう。 藤丸 至れり尽くせりね・・。 砕刃 客人を粗末に扱っては近衛騎士団の名折れだ。気にすることは無い。 忍 そういうこった。黄泉子ちゃんは何も心配することはないさ。 黄泉子 はい。それじゃ、えと・・・行って来ます! 忍 あぁ、楽しんで来い。 藤丸 そんな、遊園地行くわけじゃあるまいし・・。 砕刃 ではこちらに。 砕刃、黄泉子下手はけ 藤丸 ・・・・まったく、とんだお節介焼きね。 忍 迷惑だったか? 藤丸 そんなこと・・。 忍 ま、オレは誰かが喜んでくれりゃそれでいいんだ。 藤丸 あんた、絶対いつかだまされるわよ? 忍 そん時はオレが甘かったと反省するさ。 藤丸 はぁー・・・まったく・・・。 ・・・ありがとね。 忍 うぉ、なんだいきなり? 藤丸 な、何って私が礼を言っちゃおかしい? 忍 いや、なんつうか、意外でな。 藤丸 失礼ねぇ。今回なんだかんだで助けてもらったし、 それに黄泉子のことだってあるもの・・。だから全部ひっくるめて、ね? 忍 ま、礼は一応受け取っとくか。しかし、そんなあんた初めてだな。 藤丸 むー・・人が真面目にお礼言ったのに・・。 なんか罪捏造してひっとらえるわよ!? 忍 あー、悪かった悪かったって。飯でもおごるから機嫌直せよ。 藤丸 しょうがないわね。でも今回殆ど収入無かったんでしょ? 財布の中大丈夫なの? 忍 まぁ、二人食う分くらいあるだろ。・・・多分。 藤丸 もう、仕方ないわね。足りなかったら割り勘にしてあげるわよ。 忍 はぁ、そういう心遣いありがたくて涙が出るね。 藤丸 ほら、行くならさっさとしないと。 ぐずぐずしないの、ほら、行くわよ、忍。 藤丸下手はけ 忍 え、今、名前・・。ま、いいか。 忍下手はけ 道化 【閉幕】