-------------------------------------------------------------- プロローグ【クレア・氷枯裏・キティ・首領1】 -------------------------------------------------------------- 首領1板付き 道化 【アールティ国 敷地内】 【森の中】 氷枯裏・クレア下手より入る 首領1 ごくろーさんです。 クレア ごくろーさんじゃねぇよ・・・。 首領1 いつものハゲっすか? クレア いや、今日は上品なねーちゃんだった。 首領1 どーだったんすか? クレア いつもの通り 氷枯裏 中指立てて クレア 一昨日来やがれ 氷枯裏 イェー 首領1 じゃあ、立退きは延期ってことで。 クレア 延期じゃねぇ、一生居座るっつーの。 首領1 んじゃ先帰って皆に伝えてきますわ。 首領1、上手よりはける 氷枯裏 ここ追い出されたら何処行けってんだよな。 クレア モンスターに喰われてろってこったろ。 氷枯裏 うわっ酷ぇな。 クレア お国に貢献しねぇ集まりに用はねぇってことなんじゃね? 氷枯裏 しゃあねえだろ、お国に貢献しねぇ集まりなんだからよ。 クレア 違いねぇ。 氷枯裏 そういや昨日沸いたモンスターはどうなった? クレア リンチリンチ。 氷枯裏 ん? 誰だありゃ。 キティ上手より入る キティ う・・・うぅ・・・。 クレア お、おいどうしたあんた・・・。 キティ 道に迷ってしまって・・・ う・・・。 氷枯裏 おい大丈夫かよ!? キティ ここ三日間何も飲んでいなくって・・・ の、喉がカラカラで・・・水を・・・。 氷枯裏 水だな、ちょっと待ってろ。 キティ やっぱミルクセーキを・・・。 クレア ミルクセーキ!? 氷枯裏 意外と余裕あるなこいつ・・・。 とりあえず人呼んでくるわ。 氷枯裏上手よりはける クレア 大丈夫か? キティ 実は私・・・ ミルクセーキを飲まないと死んでしまうんです。 クレア んなアホな!? 悪いがここには水しかないぞ。 キティ じゃあ水でいいです。 クレア いいのかよ!? ほれ・・・。 キティ っ・・・・・・ぷぁああ。 うっまー!! 何これ!喉渇き補正抜いても美味いこれっ!! クレア そいつはよかった。 キティ 本当に助かりました 何とお礼を言っていいかわかりません だから何も言いませんね。 クレア 言えよ! ありがとうって言えよ!! 意味わかんねぇよお前! キティ あぁ、それでいいんですね。 ありがとうございます。 クレア うむ、よし。 迷子って言っていたが、何処に行く気だったんだ? キティ あぁ、はい フェイス国を目指していたんですが。 クレア そんな軽装備でいける距離じゃないぞ? キティ 途中の村々によって食料などを買い繋いで行く予定だったんですが 立ち寄った村に誰もいなくて引き返して来たんです。 クレア へぇ・・・って無人? キティ はい、皆死んでました。 クレア 何っ!? どこの村だ!? キティ フェイス国前の・・・えーっとなんて村だったかな? 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第一幕【朱鷲司・首領2】 -------------------------------------------------------------- 朱鷲司・首領2 道化 【アールティ国】 【中央司令室】 首領2 タイプ村です。 朱鷲司 全滅・・・。 首領2 直接的な死因は不明ですが、死体の状態は酷いものです 全身が水ぶくれになっていて、どういう事が起きたらこうなるのか って聞いてますか? 朱鷲司 皆・・・死んでしまったのか・・・。 首領2 ・・・えぇ。 恐らくは未知なる奇病かと 接触した者は皆隔離してありますが、発症したものはいません。 伝染病の類ではないのかもしれませんね。 朱鷲司 ・・・医師を派遣しよう。 首領2 すでに、現地に到着しているはずです。 朱鷲司 ・・・・・・すまんな。 首領2 いえお気になさらず それで次は例の浮浪者たちの集落のことですが。 朱鷲司 浮浪者・・・彼らをそう言うのはやめてくれないか。 あんな集落ができた原因は私達にもあるんだ・・・。 首領2 はぁ・・・では 社会不適合者たちの集まりですが。 朱鷲司 ど、首領ペリ・・・。 首領2 冗談ですって冗談。 えーっと、それでですね 報告通り上下関係のある組織となっているようです。 リーダー格の人物も中々しっかりした人物で・・・ まぁ言葉遣いというか交渉の仕方に問題はありましたが 朱鷲司 クレア・・・変わっていないようだな。 首領2 お知り合いで? 朱鷲司 幼い頃の友人でガキ大将だった。 昔はよく、どつき回されたものだ。 首領2 あー、何か想像付きます。 朱鷲司様は昔からこんな調子だったんですね。 朱鷲司 今でもよく考えるんだ。 こんな私が一国を統治するなど不相応ではないかとな。 クレアの方がよっぽど上手く国を動かせるはず。 首領2 考えても無駄なことですよ。 それで貴方の立場が変わることないです。 朱鷲司 それはわかっている。 だからこそ、私は考えなければならない。 あの集落をどう守ればよいのか・・・。 首領2 交渉に行った私が言うのも何ですが放置でよいかと思います。 モンスター出現地域でもありますから、軍事力もあります。 地主の方には申し訳ありませんがね。 朱鷲司 そうだな、言い訳程度に交渉を行えばよいか。 首領2 次に、フェイス国の事なのですが。 朱鷲司 また関税を下げろとごねているのか? 首領2 いえ、そうではないんです。 ここ最近ただの一人も使者が訪れておりません。 ・・・・・・何か嫌な予感がします。 朱鷲司 ・・・例の奇病と関係があるのかもしれないな。 首領2 調査します。 話は以上です。 朱鷲司 そうか、お疲れ様。 首領2 朱鷲司様も少しは休んでくださいよ。 朱鷲司 わかってる。 首領2 では。 首領2下手よりはける。 朱鷲司 ・・・・・・そうか。 クレアは元気か。 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第二幕【クレア・氷枯裏・キティ】 -------------------------------------------------------------- クレア・キティ 板付き 道化 【集落】 【クレアの家】 クレア ここが俺の住んでいる所だ。 遠慮せず自分の家だと思ってくつろいでくれ。 キティ あー、じゃあビールくださーい。 クレア 少しは遠慮しろよ!しろ! キティ えーでも今遠慮するなって言った。 クレア 社交辞令だよ建前だよ分かれよ! キティ 田舎の人は世話焼きっていうからさー、田舎補正ってやつ? クレア なんじゃそりゃ、っていうか田舎じゃねぇよ。 あんたフェイス国に何しに行くんだ? キティ いやぁー、あの国は科学が進歩してるって聞いたんで 観光というか、何と言うか。 クレア はぁ・・・っていうかお前この国の人間だよな? キティ ですよー、何で? クレア 俺たちの事を怖がらねぇヤツは珍しいからな。 キティ はぁ・・・・・・。 あれ? クレア どうした? キティ いえ、なんか肌がピリピリするんですよ。 クレア もしかしてお前魔法使えんの? キティ そうですね、少しは使えますけど。 クレア なんかこの辺は霊脈が集まるところらしくてな その手のヤツは肌がピリピリするらしいんだ。 キティ ・・・・・・うわっー!! 本当だ!すっげ!何ここすっげ!! クレア わかるのか? キティ わかりますよ!うっわー!感動しましたぁー!! クレア 俺はよくわかんねぇんだけどよ。 キティ この力を借りれば、あんな事やこんな事も・・・ えっ?そんな事まで!? それはやりすぎだよぉ・・・。 クレア お前のテンションよくわかんねぇよ・・・。 少し落ち着け。 キティ じゃあ落ち着きます。 ・・・。 クレア ・・・。 キティ ・・・。 すー・・・すー・・・。 クレア 寝てるし。 ・・・まぁいいか。 何なんだろうな、こいつは。 氷枯裏下手よりはいる。 氷枯裏 大変だクレア! クレア どうした? 氷枯裏 戦争が始まるらしいぞっ! クレア 何だって!? 一体どこの国とだ? キティ フェイス国。 氷枯裏 ? そうだフェイス国が相手だ。 クレア なんてこった・・・。 キティ ・・・・・・。 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第三幕【結樹・鳳晴】 -------------------------------------------------------------- 結樹 板付き 道化 【フェイス国 結樹部隊】 【司令部キャンプ】 鳳晴上手より入る 鳳晴 たいちょーたいちょー! 前方に敵、アールティ軍勢確認っす! その数約3万! 我が軍の3倍ほどっすよー。 結樹 ふふふ・・・いいわね、この戦力差。ゾクゾクしちゃう。 それでこそ・・それでこそアレを試すのに丁度いいわ! 鳳晴 もう試したくせにー、この鬼畜野郎ー。 結樹 仕方ないじゃない、あの村が一番の難所なのよ? 戦略上、宣戦布告なしで攻撃も仕方ないというものよ! 鳳晴 この悪党がー! あとは平野だけっすもんね! 我が軍を遮るものは何もなしっす!文字通りの意味で! 結樹 しかしあの医者どもを殺っちまったのはマズったかしら。 鳳晴 何だー、今更いい子ちゃんぶる気っすかー? 結樹 む、いい子ちゃんぶるぞー。 奴等は殺す必要のない者達だったからね。 善意で動くものを殺すのはいつだって嫌なものなのだよ。 鳳晴 このいい子ちゃんめー! しっかしあーれすごいっすねー。 しゅばばーひゅんひゅんひゅうじゅー! 結樹 ところであれはどういう原理で攻撃してるのかしら? 鳳晴 そんなことも知らないんっすか? 結樹 知ってたら聞かんわ。 あんたは知っているの? 鳳晴 知りませんっす。 結樹 何だ、誰も知らないんじゃない。 鳳晴 おおっと、まだアンケートを2人しかとってませんよー。 それでは統計的に誰も知らないとは言えないっす! 結樹 成る程、では早速全軍にアンケートを実施しなければ! でも名前ぐらいは知ってるでしょう? 鳳晴 あー、えっと確か誰かが・・・ 電子レンジって呼んでた気がします。 結樹 何そのインテリジェンスの欠片も無い名前は! 格好悪い!改名! ドカガクリキガンと名付けてやる! どうだ、カッコいいだろう! 鳳晴 うわー、安直ー! ところで隊長。 結樹 何? 鳳晴 戦闘始まりますよ? 結樹 うっそ!? 直ちに先方隊を後退! ドカガクリギッ!?・・・ ひょ・・・ひょにかくでんひレンジをようひ・・! 我々も出るわひょ! 鳳晴 イエッサー!! 結樹 戦争だー! 鳳晴 ダー! 結樹・鳳晴上手にはける。 道化 15時30分 両国の中間点付近の平原にて交戦開始 フェイス国軍勢 約1万 アールティ国軍勢 約3万 15時47分 アールティ国撤退を開始 フェイス国軍勢   約8千 アールティ国軍勢 約1万 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第四幕【クレア・キティ・朱鷲司・首領2】 -------------------------------------------------------------- クレア・キティ板付き 道化 【アールティ国敷地内】 【森の中】 クレア ・・・・・・はぁ。 キティ 心配ですか? クレア はぁ? なんで俺が朱鷲司の心配しなきゃいけないんだよ? キティ 突っ込み所満載ですね。 私は誰が心配ですかとも言ってませんし そもそも私その朱鷲司さんの存在自体知りませんよ。 クレア う、うるせぇよ・・・。 これだから魔法使いってのは・・・。 キティ うわー、差別ですねそれー。 首領2下手より入る。 首領2 ハァ・・・ハァ・・・やっと見つけた・・・。 クレア あんたは・・・。 首領2 クレアさん、お話があります。 クレア 帰れ。 首領2 そういう訳にはいきません。 私たちは今少しでも戦力が必要なんです! クレア お前等がどうなってても俺たちには関係ない。 そしてこれからどうなろうともな。 首領2 そんな・・・。 クレア だってそうだろ? どうしてお前等を助けなくちゃいけない? お前等はずっと俺達にここを出て行けと言い続けて来た。 俺達がどうなろうと関係ないってな。 首領2 それは・・・。 クレア それは、何だよ? 言ってみろよ。 首領2 っ・・・。 クレア お前等も国を捨てて俺たちと同じ苦しみを味わえよ。 じゃあな。 首領2 ま、待って! 朱鷲司、下手より入る。 朱鷲司 話だけでも・・・聞いてくれないか。 クレア お前・・・。 朱鷲司 久しぶり、クレア。 クレア 朱鷲司・・・。 首領2 朱鷲司様、何故ここに・・・。 朱鷲司 何も言わないでくれ首領ペリ。 先に戻っていてくれないか? 首領2 ・・・・・・はい、わかりました。 首領2下手よりはける。 朱鷲司 話・・・聞いてくれるかな? クレア ・・・・・・話せよ。 キティ あー、私消えようか? クレア いや、いてくれ。 誰か見ててくれねぇとな 今にでも殴りかかっちまいそうだ。 朱鷲司 あのことは・・・・・・ 本当にすまないと思っている。 クレア うるせぇよ。 今は戦争の話だろ、国王様。 朱鷲司 そう・・・だな。 知っての通りわが国はフェイスから攻撃されている。 そして、彼らの持つ兵器の前に甚大な損害を受けた。 クレア 兵器? 朱鷲司 そうだ。 諜報部の掴んだ情報では特殊な電磁波を発し 水分子を高速回転させ摩擦熱を発生させるものらしい。 クレア はぁ?なんだって? 朱鷲司 離れた敵を不可視の攻撃で触れずに焼き殺すことが出来る。 それも大量にな。 クレア 魔法とは違うのか? 朱鷲司 化学だそうだ。 この兵器についてわかったことが二つ。 一つは、遮蔽物があれば効果がないということ。 クレア でっかい盾でも作ればいいだろ。 朱鷲司 それでは敵の魔法の的になるだけだ。 それにそんなものを持っていては戦闘はできない。 何より量産している時間がないんだ。 クレア ・・・。 朱鷲司 二つめにこの兵器は 一方向にしか効果を発揮できないということだ。 クレア 奇襲でもかけてぶっ壊しちまえばいいじゃねぇかよ。 朱鷲司 確かにその通りだ、兵器は1機しか確認されていない。 だが敵は兵、兵器、兵の順で移動している。 クレア なるほど・・・上手いな。 敵を確認したら前の兵を下がらせて横を補うわけか。 朱鷲司 その後、前方の敵を殲滅。 身をもって味わった。 クレア ・・・・・・。 朱鷲司 ・・・死んでしまった・・・沢山・・・。 クレア なんも言わなねぇぞ。 朱鷲司 ・・・・・・何か言って欲しかった。 クレア 甘えてんじゃねぇよ。 そんなこと言いに来たんじゃねぇだろ。 朱鷲司 穴を掘ることにした。 クレア 穴? 朱鷲司 東方の国では土遁と言うらしいな。 地中に潜り敵を待つ。 クレア そんで奇襲で兵器を破壊か? 朱鷲司 いや、敵もそこまで馬鹿じゃないだろう。 クレア なるほどな、あくまで前衛に張り付くためか。 朱鷲司 そうすれば味方を巻き込んでしまう為敵は兵器を使えない。 クレア 俺なら、それでも使う。 味方を巻き込んでも使うぞ。 朱鷲司 ・・・・・・私もそう思う。 敵を指揮しているのはフェイス国三幹部のうちの誰か。 手加減などしてはくれないだろう。 キティ 弓師結樹、魔法使いロイス、酒豪アイルライト。 多分結樹。 クレア 知ってるのか? キティ えぇ、今動けるのは彼だけのはずだから。 朱鷲司 どんな人物か知っているか? キティ 詳しくはわかんないけど、貴方達の言うとおり。 味方を巻き込んでも勝機を掴むと思う。 クレア つまり敵が味方に損害を出せない状況にするしかないと。 例えば後方から別の敵が現れる、とかな。 朱鷲司 ・・・敵に悟られずに背後に廻るにはこの森を抜けるしかない。 だがこちらの軍隊では時間がかかりすぎる。 この森を知り尽くしているクレア達なら・・・。 クレア なぁ、今この森に何人住んでるか知ってるか? 50人や100人じゃねぇんだよ。 朱鷲司 先ほど首領2から2千と聞いたが。 クレア 6千だ。 朱鷲司 6千・・・そんなに!? クレア あぁ、信じられないだろう? もちろん子供や老人を入れた数だけどな。 国から追い出されたやつがこんなにいるんだ。 そいつらがまた子供を生んでまた増える。 金もないから他国に稼ぎに行くこともできやしない。 朱鷲司 ・・・・・・すまない。 クレア 勝てたらいいよ、勝てたらよ。 でも負けたらどーすんだよ? 俺たちの存在が奴等に知れちまう。 朱鷲司 ・・・・・・。 クレア そもそも、俺たちには関係ねぇよ。 攻め込んで来ても例の兵器の効果は木々に阻まれて死ぬ これだけでも随分有利だ 朱鷲司 ・・・・・・わかった。 クレア 地の利があるから普通の兵は俺たちの敵じゃねぇしな。 それに 朱鷲司 もうわかった! クレア っ! 朱鷲司 クレアの言いたい事はわかった・・・。 確かにこの戦いはこの集落とはまったく関係がない。 それでも・・・・・・ 私はこの国を守らなくてはならないんだ。 どんな手を使ってでも!! クレア ・・・・・・。 あの時のこと、思い出すな。 朱鷲司 ・・・。 確かに同じ状況だ。 クレア 俺は平民のガキ大将、お前は貴族の子供。 朱鷲司 あぁ・・・クレアと遊んだだけで怒鳴られてたよ。 クレア あの後・・・どうなったんだ? お前達のグループの遊び場は守れたのか? 朱鷲司 いや、無理だった。 年上に勝てるはずもなかったよ。 クレア あの時もそうだろ? 平民なんかに助けを求められないってな。 朱鷲司 あぁ・・・あの頃私の周りはそういう人間ばかりだった。 だが今この国ではそのような事を言う人間はいない。 クレア ・・・・・・なんでだよ。 朱鷲司 ・・・。 クレア なんであの時、助けてくれなかった!? 俺の家が燃えて、俺が独りぼっちになった時! 俺達、友達じゃなかったのかよっ!! 父親に頼めばガキでも働ける場所ぐらい紹介して貰えただろ!? 朱鷲司 父なんだ。 クレア はぁ!? 朱鷲司 クレアの家に火をつけたの、父の部下なんだ。 クレア なっ・・・。 朱鷲司 知ってるだろう、父はやると言ったらやる性格なんだ。 ある日父は私にこう言ったんだ。 「平民の子供などと遊ぶな」 そしてこう続いた 「次会えば、あれを殺す」 クレアと分かれた最後の日だ。 私が会いに行かなければあんな事にはならなかった・・・。 クレア ・・・・・・。 朱鷲司 その日のうちにクレアの家は火事になった。 許してもらえるとは思っていない。 それでも・・・すまない。 ごめんなさい。 クレア ・・・・あ・・・。 朱鷲司 ・・・・・・。 クレア く・・・・・・帰れ。 朱鷲司 ・・・わかった。 クレア、上手よりはける。 朱鷲司 ・・・・・・。 キティ 貴方王様なの? 朱鷲司 そんな位置にはいる。 キティ 国、やばいの? 朱鷲司 あぁ・・・。 クレア達の協力がなければ間違いなく負ける。 キティ そして私情で協力はあまり受けたくない、と。 朱鷲司 ・・・そうだ。 だがそんなことは言ってられない。 何より クレアは必ず助けに来てくれる。 キティ ・・・・・・そうかなぁ。 朱鷲司 そうだとも その時に、来ると思ってなかったので準備してません じゃお話にならないからな。 時間がたったらクレアにこれを渡してくれないか。 キティ 手紙? 朱鷲司 そうだ。 キティ 見ていいですか? 朱鷲司 いい。 キティ ・・・・・・・・・え? ええええぇぇぇぇ!??? これで助けてくれますかね? 朱鷲司 あぁ、必ず来てくれる。 では。 キティ あ、さようなら。 朱鷲司下手にはける。 キティ さて、と。 私は私のやるべき事を始めますか。 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第五幕【クレア・氷枯裏・首領1・鳳晴2】 -------------------------------------------------------------- クレア板付き 道化 【溶明】 クレア はぁ・・・。 朱鷲司・・・。 相変わらずバカだな。 氷枯裏・下手より入る。 氷枯裏 何たそがれてんだよ。 クレア うるせぇ。 氷枯裏 お、何だそれ。 クレア 朱鷲司からの手紙。 氷枯裏 立派な封筒だな、何が書いてあるんだ? あれか、協力したら何か貰えるとか? クレア いんや。 氷枯裏 戦争の悲惨さとかか? クレア 外れ。 書いてあったのはたった3文字だ。 氷枯裏 3文字!? えーっと。 愛してるぅぅ〜。 クレア 4文字じゃねぇか。 氷枯裏 答えは? クレア ただ、一言 「助けて」 氷枯裏 ・・・・・・アホか。 クレア 本当、アホだよなぁ・・・。 御託並べられるより この一言に何より弱い。 首領1、鳳晴2、下手より入る。 首領1 準備できました! 鳳晴2 同じく! クレア 氷枯裏の班は? 氷枯裏 とっくだ。 クレア ようし、OKだ。皆よく聞け。 知っての通り俺たちは国から追い出された厄介者だ。 この戦争に参加してなんの得もない。 害だけだ、しかも国を助ける義理もない。 だからだ だから、カッコいいんじゃねぇか!! 損得しか考えない奴等に教えてやろうぜ! 俺達がよ!それ以外に大切なモンがあるってことをよっ!! 行くぞ手前らっ! 死ぬんじゃねぇぞ! 死んだら殺す!わかったかっ!!! 首領1 おぉぉぉぉぉぉ!!! 氷枯裏 イエェェェェィ!!! 鳳晴2 ウリィィィィイ!!! 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第6幕【結樹・鳳晴・キティ・K】 -------------------------------------------------------------- 結樹・鳳晴板付き 道化 【フェイス国 結樹部隊】 【指令部隊】 結樹 もうすぐ城壁が見える頃ね。 鳳晴 そろそろ反撃があってもよさそうなんすけどね。 結樹 油断は禁物。 ん?前の方戦ってるじゃん? 鳳晴 あ、本当っすねー。 どうやって近づいたんすかねー? 三郎、上手より入る。 三郎 報告します!敵が地中より突如出現しました! 結樹 地中? 鳳晴 この辺は畑っぽいっすからねー。 掘りかえっててもわかんなかったんすね。 結樹 なるほど、面白い。 鳳晴 どうするっすか? うちの兵じゃまともに戦ったら勝てないっすよ。 結樹 もちろんドカガクリキガンの出番よ。 おーぃ、ちゃっちゃと準備してー。 三郎 混戦の為有効範囲に仲間も含まれてしまいます! 結樹 それくらい分かってるわよ、トーヘンボク。 地中に敵の全軍が潜ってるワケないでしょう。 ほら見みなさい、あれはただの時間稼ぎ。 鳳晴 敵増援ありっすね。 結樹 敵が集結する前に叩かなければこちらが全滅よ? 理解した?ジャリボーイ。 三郎 ・・・はっ! 三郎下手にはける。 結樹 さて、私達も少し下がりますか。 鳳晴 ですね。 結樹・鳳晴下手にはける 間 レイス・シルク上手よりはいる レイス いいか!敵との距離を作るんじゃない! 絶対に離れるんじゃないぞ! シルク 敵、例の兵器を動かし始めました! 彼らは本当に来るんですか!? レイス 見えるか、奴等の後方だ。 シルク あれは・・・モンスター!? それも集落の人と一緒に!? レイス 彼らは元貴族や元平民どころか、モンスターとさえ共存していたのか。 私達を鼻で笑いたくなるのもわかる。 シルク 敵が目に見えて混乱しています! 攻めるなら今です! レイス 全軍突撃っ! レイス・シルク下手にはける。 間 結樹、鳳晴下手よりはいる。 結樹 ふふふふ・・・・やってくれるわっ! 鳳晴 挟まれましたっすねー。 結樹 この状況はどうすべきと考えて? 鳳晴 味方ごと撃つと肉の壁となって敵への効果が弱まりますからね 前方の敵だけなら撃ってもいいですけど後方もとなると・・・ 結樹 だが撃つ。 鳳晴 ええっ!? 結樹 確かにこっちにも大きな被害がでるけど、敵はそれ以上のはず。 何故なら敵は我等が撃つタイミングがわからない。 それでもせいぜい五分五分でしょうけどね。 鳳晴 痛み分けって事っすね。 結樹 ようし!発射準備! 鳳晴 イエッサー! 道化 ポツ・・・ポツ・・・ 結樹 ・・・・・・雨? 鳳晴 ・・・・・・。 道化 ザーーーーーーーー! 結樹 やーん、降ってきっちゃったー! 鳳晴 ・・・・・・ですね。 結樹 ・・一張羅なのに・・・これまでかしらね。 鳳晴 あっけない・・・ものですね。 結樹 映画のような一進一退の戦いでも思い浮かべていたの? 本当の戦争なんて・・・こんなものよ。 三郎下手より入る 三郎 大変です!雨天だと兵器の射程は著しく短くなってしまいます! 結樹 それぐらいわかってるわよ。 三郎 あ・・・はい、それと 結樹 何?さっさと言いなさい。 三郎 その・・・こんな時なんですがお客様が・・・ 結樹 ふむ・・通しなさい。 キティ下手より入る キティ 下がって。 三郎 はい。 三郎下手にはける。 結樹 この雨、あなたの仕業ね、キティホーク。 キティ うん。 結樹 ご苦労だったわね。 キティ ・・・彼らは私が工作するまでもなかった。 自分達で手を取り合った。 結樹 そう・・・ふふ・・あはははははは! 我々の内政とは大違いだわね! 結樹 鳳晴。 鳳晴 はい。 結樹 アカツィーアと共に行きなさい。 鳳晴 ・・・私も残りたいです。 結樹 私たちはここで何をしたかわかるわね? 鳳晴 虐殺です。 結樹 そう、悪は滅びるべきなのよ。 それも自然に。わかるな? お前は証人にならなければいけない。 私が単独でこの国を攻めたとな。 決して上からの命令としてはならない。 鳳晴 ・・・・・・。 結樹 国の王が関わっているとなると遺恨は消えることはない。 そして今、我等の国で戦いを望んでいるのは奴だけだ。 鳳晴 結樹様・・・。 結樹 王は公にならずとも闇に葬られる。 そしてこの事件は終わる。 キティ、凰晴を、国を頼むわよ。 キティ えー。 結樹 えーじゃない。 それじゃあ、ね。 キティ えぇさようなら。 結樹 平和の為に。 キティ 平和の為に。 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- 第7幕【朱鷲司・クレア・結樹・K】 -------------------------------------------------------------- K板付き 道化 【溶明】 K ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・。 クレア下手より入る。 K ちくしょぅぅぅ!!! クレア 雑魚に用はねぇっ!! 殺陣・Kが勝つ(マテ K ぐああああぁぁ・・・。 た、頼む命だけは・・・。 クレア ・・・・・・いいだろうその代わり。 額に肉と書かせてもらう! キュッキュッキュー。 K ひぃぃぃぃぃぃ K下手にはける 朱鷲司上手より入る。 クレア 朱鷲司!無事だったか。 朱鷲司 クレア・・・。 ありがとう。 クレア どういたしまして。 あと、怒ってねぇから。 朱鷲司 え・・・。 クレア 怒ってねぇから。 朱鷲司 ・・・。 ありがとう。 クレア おうよ・・・ ん、あれは・・・! さぁ、終わらせようぜ。 朱鷲司 ・・・あぁ。 結樹下手より入る。 クレア ・・・。 朱鷲司 ・・・。 結樹 言葉はいらないわね。 かかって来なさいっ!! 殺陣 結樹 ぐふぁ・・・。 これで・・・いいのよ・・・ びじん・・・は・・くめ・・・ 結樹死亡。 クレア ・・・・・・。 朱鷲司 虚しいな。 クレア あぁ。 朱鷲司 戦争を望む者など居るのだろうか。 クレア 居るから起こるんだろ。 朱鷲司 そうだな。 だが私は嫌だ。 クレア それで十分だ。 道化 【暗転】 -------------------------------------------------------------- エピローグ【朱鷲司・クレア・首領ペリ・キティ】 -------------------------------------------------------------- クレア板付き 道化 【森の中】 クレア やれやれ・・・ 首領2下手より入る。 首領2 クレア様、朱鷲司様を見ませんでしたか? クレア いんや。 首領2 そうですか・・・。 クレア 何かあったのか? 首領2 なんとあの朱鷲司様が城を抜け出したんです。 一体どこへ行ってしまわれたのか・・・。 クレア さぁ・・・俺が知ってるわけないだろ。 首領2 そうですね、お邪魔しました。 では私は行きます。 首領2下手にはける。 クレア 行ったぞ。 朱鷲司客席より入る。 朱鷲司 うむ・・・首領ペリには悪いことをしたな。 クレア しゃあねえだろ。 キティ、上手より入る。 キティ ん、わざわざごめんね。 朱鷲司 いや、国を救ってくれたのだ。 この位は大した事ではない。 キティ 何て言うか・・・。 アホなくらいお人良しだねぇ。 ついこの間まで敵だった国の人間ですよ私は。 朱鷲司 ぬぅ・・・。 クレア あんまり朱鷲司を虐めるなよ。 キティ あはははっはっ。 それじゃ、行くね。 朱鷲司 あぁ、ありがとう。 貴方の・・・いや 貴方達の心、確かに受け取った。 クレア じゃあな。 キティ 今度は観光で来たいものだね。 朱鷲司 この国には観光名所は無いはずだが・・・。 キティ そんな事ないよー。 この霊脈マジすっげー! クレア わかったわかった。 さっさと行け。 キティ さっさと行くー。 ・・・じゃあまた。 クレア またな。 朱鷲司 また。 キティ上手よりはける。 クレア なぁ。 朱鷲司 なんだ? クレア 手紙だ手紙、あの手紙。 幾らなんでも3文字ってのはねーだろ! 朱鷲司 あれが一番クレアに効果的だと思ったからな。 そして私もあれに弱い。 クレア お前もかよ。 朱鷲司 うむ。 クレア じゃあお前に今度手紙を出すとしたらこれ使うか。 朱鷲司 3文字か? クレア いや。 朱鷲司 ん? クレア 多分4文字になる。 道化 【終劇】 -------------------------------------------------------------- --------------------------------------------------------------